さまざまなライセンス

さまざまなライセンス – メディアデザイン実習J「ライセンス(契約)」という言葉は、「著作権」を含めた、権利に関する取り決め全般のことを指します。

著作権」は、著作物(作品) と 著作者(クリエイター) の権利を守るために存在する、国際的な取り決めです。
創作活動で飯を食う、私たちクリエイターの「価値の源泉」でもあります。

しかしながら、ディズニーの「ミッキーマウス」の権利を過度に保護するために著作権法が改定され続けているなど、公正さに欠く面もあります
特に昨今では、悪意を持った過度な商標登録の問題(ベストライセンス社が有名)や「サブマリン特許」問題、CCCD(コピーコントロールCD)問題、DRM問題などとも相まって、自由なビジネス・創作活動を阻害するものとしても認識されています。

こういった従来の独占的な「著作権」に対して、1970年代のハッカーらによって「フリー」「オープン」という考えが生まれました。
以降、コンピュータ分野ではより自由で柔軟なライセンスが生まれ、現代のテクノロジーを支えています。

私たちクリエイターは、どのような形であれ「ライセンス」とは無縁でいられません。ややこしいけれど、大切なことです。

以下に、代表的なライセンスについて解説します。

 

目次

  1. 従来の「著作権」 (Copyright)
    • フェアユース
    • パロディ
    • 著作権延長法(ミッキーマウス保護法)
    • デジタルミレニアム著作権法
    • 二次創作活動(同人活動)
  2. パブリックドメイン
  3. GPL
  4. 修正BSDライセンス
  5. Creative Commons

 

1. 従来の「著作権」 (Copyright)

著作物に対する、著作者の独占的・排他的な権利。
「特許権」や「商標権」にならぶ知的財産権の一つ。

実際の法の運用は各国によって異なるが、「ベルヌ条約」などによって国際的な最低要件が定められている。

多くの国において、著作権は著作物の創作と同時に発生し、著作者の死後50年で切れる。

以下の場合は、著作権の適用が制限される(対象外となる)。
・私的使用を目的とした複製
・図書館における複製
・引用
など

※ フェアユース

著作権者の許諾なく著作物を利用しても、以下の4つの判断基準のもとで公正な利用(フェアユース)に該当すると判断されたばあい、著作権の侵害にあたらないとする考え。

  1. 利用の目的と性格
  2. 著作物の性質
  3. 著作物全体と利用された部分のバランス(量・価値)
  4. 著作物利用の市場に及ぼす影響

ただしこれは曖昧な指針で、訴訟となった場合に最終的な判断は個々のケースによる。
Googleが全世界のウェブサイトの「キャッシュ」を保存しサービス利用していることについては、フェアユースの範囲内であるとされている。

※ パロディ

フランスでは「パロディ規定」が存在し、「フランス的な風刺の伝統」という文化的意義のもとに、風刺作品は著作権の対象外となる。
(このことは、日本のアニメ文化がフランスで受け入れられやすいことと関係があるのかもしれません)

※ 著作権延長法(ミッキーマウス保護法)

「ミッキーマウス」は1928年に発表された作品である。
この法案以前、アメリカでは著作権の保護期間は75年であったため、2003年で権利が切れるはずだった。

1998年、ミッキーマウスの著作権切れが迫っているなか、権利者であるウォルト・ディズニー・カンパニーのロビー活動によって、保護期間が延長された。「ミッキーマウス保護法」「ミッキーマウス延命法」とも言われる。
法人の権利が長くなるなど、複雑になった。

アメリカ政府の延長要求を拒否し、保護期間50年を維持している国や地域にはカナダ・ニュージーランド・中国などである。

※ デジタルミレニアム著作権法

デジタルコンテンツの不正コピー防止のための保護法。96年WIPOの条約を根拠とし、98年アメリカで制定され、2000年に改正された(「ミレニアム」と名がついている由来)。
EUでも2001年に同様の「EUCD」が成立した。

この保護法に関してもっとも重要な点は、オンラインでの著作権侵害についての取り決めである。

オンラインで著作権侵害行為が発生した場合、プロバイダー(ISP)は問題となっているコンテンツを削除したり、情報発信者に警告することによって免責を得ることが可能になった。

(それまでは、プロバイダーがすべての責任を負う可能性があった)

※ 二次創作活動(同人活動)

同人活動において、まず、誰にも公表しない私的利用は著作権の対象外であるから問題ない。
しかし、即売会やオンラインでの頒布を目的とする場合は、著作権を考慮する必要がある。

適法な二次創作作品の頒布

  • 著作権者(いわゆる「公式」)による許諾がある場合
  • コミケやワンフェスなど「当日版権」が存在するイベントでの頒布

著作権者(いわゆる「公式」)が黙認している場合も、権利の侵害とはならないが、TPPのような法案・協定によって非親告罪化された場合には、第三者による告発などで有罪となりうる。つまり限りなく黒に近いグレーなだけであって、進んで行うべきことではない。

また、著作権者が問題視するはずのケースでも、二次創作物について刑事告訴ないし民事訴訟を行うことは極めて少ないのが実態。これは単に費用対効果の問題から妥協しているだけの状態であって「訴えられなかったらOK」と考えるべきではない。
(特に昨今は消費者に問題視された結果の「炎上」が及ぼす影響を無視してはいけない)

 

2. パブリックドメイン

著作権が切れた状態にあること。
ただし、著作権が切れていても「所有権」や「人格権」を侵害する場合は、自由に利用することは出来ない。
著作物が商標登録されている場合や、意匠権が存在する場合も、自由に利用することは出来ない。

ある地域(国)において著作権が切れていても、別の法域ではそうではない、という場合もある。

つまり「パブリックドメイン」の作品だからといって、関連する様々な状況にも配慮せずに二次利用するのは危険である。

 

3. GPL (General Public License)

リチャード・ストールマン(ハッカー文化・フリーソフトウェア運動の代表的存在。Emacsの開発者)によって策定された。
フリーウェア、コピーレフトの代名詞的なライセンス。

GPLでライセンスされた著作物は、ユーザーに対して以下の行為を許可する。

  1. プログラムの実行
  2. ソースコードにアクセスし、プログラムの動作を調べ、改変すること
  3. 複製物の再頒布
  4. プログラムを改良し、公衆にリリースすること

GPLは、二次的著作物についても上記4点の権利を保護しようとする。
この仕組みは「コピーレフト」と呼ばれる。
GPLでライセンスされた著作物は、その二次的著作物に関してもGPLでライセンスされなければならない。

GPLでライセンスされた著作物を改良・改変して作った二次的著作物も、同様にGPLでライセンスされなければならず、他のライセンスで提供することは出来ない。

つまり、

  • GPLのフリーウェアを改良して商品として独占的に販売することはできない。
  • GPLのフリーウェアを改良したら、ソースコードへのアクセスを提供しないといけない(求めに応じてソースコードを開示する必要がある)

 

4. 修正BSDライセンス(New BSD License)

まず、旧「BSDライセンス」(Berkeley Software Distribution)が、カリフォルニア大学バークレー校によって開発されたソフトウェア群のためのライセンスとして策定された。

これをさらに利用しやすく修正したものが「修正BSDライセンス」である。

GPLに似ているが、GPLよりも厳格ではなく、フリーウェアのライセンスとしてはもっとも扱いやすい。
最大のポイントは、GPLとは違って、二次著作物のライセンスは自由に決定することが出来る点である。

 

5. Creative Commons

ローレンス・レッシグ(サイバー法学の第一人者。フリー・カルチャーを提唱)によって策定された、コンテンツ再利用のためのオープンなライセンス。
一般的な著作権表記の「All rights reserved」に対して、このライセンスでは「Some rights reserved」という表記が用いられる。

flickr」は、Creative Commonsの写真作品の巨大なアーカイブとして有名で、ブログの記事写真などにもよく利用される。

まず、Creative Commonsには以下の4つの「オリジナルライセンス」が定義されている。

上記4つの組み合わせによって、実際の著作物の再利用可能なライセンスは決定される。

4つのオリジナルライセンスのうち「BY(表示)」は必ず含まれる。
つまり、Creative Commonsにおいて原作者などの表示は必須である。

 
 

ちなみに、このサイトの内容については、著作権法第35条「学校における複製」の範囲内で文章や画像を使用・引用しています。
これは非常に特殊なことです。

 

みなさんはライセンスについて一度よく把握した上で、

  • 人様の権利を侵害しない
  • 自分の権利が侵害されたときは強い姿勢で臨む

ようにしましょう(^ω^)

 




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